研究課題/領域番号 |
16K21545
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
澤田 英司 九州産業大学, 経済学部, 准教授 (70458925)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 面源汚染 / ラムサール条約 / 湿地保全 / 水鳥保全 / 移動性野生生物保全 |
研究実績の概要 |
沖縄本島のラムサールサイトである漫湖水鳥湿地センターの富田宏氏の協力のもとで,沖縄県内のラムサールサイトについて継続調査を進めた。また,10/3には,荒尾市環境保全課の中村安弘氏と中村和也氏を九州産業大学に招聘し,有明海の現状と荒尾市の取り組みについて特別講義を行っていただいた。海外のラムサールサイトについては,9/5-9/10の日程で,平成28年度に訪問した中国上海市の崇明島,浙江省杭州市の西渓湿地を改めて訪問し現地ガイドに同行してもらいながら,情報収集を行った。さらに,繁殖地・中継地・越冬地という生態学的な特徴を保全の当事者がどのように認識しているかを調査するために,11/16-20の期間で開催されたAsian Bird Fairに参加し,水鳥湿地保全にたずさわる各国の政府,NGOの関係者,旅行業者から情報収集を行った。インタビュー結果として,旅行業者の多くは,集客や利益に直結することから,政府やNGOの関係者と比較すると,生態学的な特徴を熟知している傾向がみられた。これまでの主として理論研究の研究成果を,10/15-10/19の期間で開催された世界湖沼会議にて"Economics of Non-point Source Pollution Control: An Overview and A Proposal for A Relative Evaluation Approach"という論題で研究発表を行った。2017年に東アジア環境資源経済学会で行った発表では,トーナメント・アプローチによる,面源汚染制御の効率性についてのみの発表であったが,世界湖沼会議では,予算バランスと共謀への耐性についての結果も合わせて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査研究,理論研究ともに,研究計画通りの情報蓄積とモデル開発は進んでおり,研究成果を国際学会で発表している。しかしながら,平成30年度は子育てに多くの時間を割いたこともあり,成果の取りまとめを当初の計画期間内で終えることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,成果の取りまとめと論文執筆に注力する。調査研究については,これまでの調査結果をとりまとめ,国内雑誌・国際雑誌の双方に投稿する。また,理論研究については,トーナメント・アプローチによる面源汚染制御の定性的・定量的な結果を計画期間内に国際雑誌へ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
第一子誕生にともない,子育てに多くの時間を割いたため,研究成果の取りまとめのために,計画期間を1年延長した。次年度使用額は,研究成果発表,論文の英文校正と投稿のための費用として使用する。
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