研究課題
若手研究(B)
本研究は,ラムサール条約登録湿地が集中する東アジア水域の湿地保全を進展させるために,環境経済学分野の面源汚染制御研究の研究成果を同水域へ実装することを目的として,理論研究・調査研究に取り組んだ。理論研究では,トーナメント・アプローチによって,汚染主体の数に依存せずに,面源汚染を制御できる政策設計を行った。調査研究では,重要湿地間の協調を,未登録湿地間,登録済湿地間,未登録湿地と登録済湿地に分類し,登録順や登録湿地数の変化が登録湿地の便益に与える影響について整理した。
環境経済学
本研究の学術的意義は,本研究が新たに提案するトーナメント・アプローチによって,従来研究ではできなかった,汚染主体の数が少ない場合でも,多い場合でも面源汚染を適切に制御することを可能にしたことである。また,社会的意義は,面源汚染制御政策の各地域への実装によって,これまでのようにただ技術的解決だけに頼るのではなく,経済的インセンティヴに基づく政策を合わせることで,さらに汚染水準の改善を進めることが可能となることである。