研究課題/領域番号 |
16K21546
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
津村 将章 九州産業大学, 商学部, 講師 (60735223)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イベントインデックスモデル / テレビ広告 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、イベントインデックスモデルの五つの次元(同一性,時間性,空間性,因果性,意図性)を用いて高効果及び低効果の広告を分析を行い、効果の高い広告はどのような特徴があるのかを明らかにする点にある。また併せて、従来ブラックボックス化されていたクリエイティブ分野に対してクリエイティブ・マネジメントをどのように行えばより高い効果が得られるのかについて実践的提言を行うことを目的としている。 平成28年度は、テレビ広告を使用した実験を実施した。実験に際しては、CM調査会社のデータを使用した為、テレビ広告について高効果群と低効果群に分けて選定を行うことが出来た。実験参加者はテレビ広告を視聴した後、質問用紙にて回答を行った。実験の結果、空間性、時間性はテレビ広告の効果を高めるために特に重要であることが明らかとなった。これらの次元は15秒のテレビ広告においては連続性があることが重要であった。また、因果性も理解促進のためには重要であることが明らかとなった。意図性と同一性に関しては、分析1と2で異なる結果となった。この2次元の変数については今後の検討課題としたい。また、今回の実験にあたり新たに内容性という変数を加えてを質問を行った。内容性は、空間性、時間性、意図性、主人公、因果性に統合的に関連すると考えられる。内容性に関する実験の結果、連続性が有効であることが確認された。平成28年度の実験の結果、効果の高い15秒のテレビ広告のクリエイティブとは空間性、時間性、内容性が連続しており、適切な因果関係が描かれた、1つのイベントに終始することが重要であると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にあたる平成28年度は、当初の目的であったテレビ広告をイベントインデックスモデルの観点から分析し、一定の成果を得ることが出来た。しかしながら、実験手法に関しては広告素材の秒数の関係で既存研究の方法を踏襲することが不可能であった。この点は新たな課題であり、今後解決してゆきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記で述べたとおり、平成28年度の研究計画としてはおおよそ順調に進展しているが、実験を行った結果、新たな問題が生じた。先に示した実験方法の問題や、それに関連した効果的な動画広告の秒数と状況モデル更新の関係である。近年はYoutube等で比較的長尺の広告も存在している。これら比較的長尺の動画広告に関しては既存研究の実験方法を踏襲できると考えられるため、引き続き実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は科研費の他、日本広告学会からも研究助成を得ており、その結果当初の使用額よりも低く抑えることが可能となった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は国際学会などへの参加も行う予定である。このため旅費が必要となる。また、当初計画よりも実験数が増えたため、新たな実験に関して使用する予定である。
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