研究課題/領域番号 |
16K21546
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
津村 将章 中京大学, 経営学部, 准教授 (60735223)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 物語理解 / 広告効果 |
研究実績の概要 |
本年度は主にマーケティング・コミュニケーションにおいて効果的であると指摘されていた物語的な側面が、どのように認知作用に働くのかについて既存研究のレビューを行った。その結果、物語の情報処理の側面に関しては多くの研究蓄積がなされていることが明らかとなった。既存研究の成果をもとに、物語形式を持つ広告クリエイティブに関してどのような点に着目してクリエイティブを考えるのが有用かについて提言を行った。しかしながら、既存研究では情報処理についての研究蓄積が多いが、どのような物語構造が感情に訴えるのかなどの研究はあまり行われていない。また従来、物語創作においては重要視されていたいくつかの視点が、マーケティング・コミュニケーションにおいて、どのような効果をもたらすのかという実証研究がほとんどない点などについても指摘を行った。 他研究では既存研究を元に更に具体的に、広告クリエイティブを考える際にどのような視点があると認知が行われやすいか、購買意図などに繋がるかなどについて研究を行った。その結果、因果性や目標達成行動、三幕構成などが重要であることが指摘された。 以前行った研究結果とこれらの研究成果により、これまでブラックボックス化していた広告クリエイティブに関する研究の発展がなされたと同時に、なぜこの広告が効果がなかったのか、またなぜこの広告が効果があったのかを、情報処理の視点から指摘することが可能となった。更に、いくつかの点で物語構造が感情的側面に与える影響に関する示唆を得ることが出来た。これらの結果を統括し、本研究の理論的発展が行われる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は大学を移動したため、研究以外にも授業準備等で時間が必要であった為。それに伴い、今年度行う予定であった、効果的なテレビ広告とWEB広告ではイベントインデックスモデルの更新が異なる可能性に関して実験を行うことが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、本研究に関して既に研究会を設けており、広告関連企業と共に取り組む予定である。これにより、様々なデータ及びマンパワーの提供が行われ、昨年度遅れていた研究を取り戻せると考えられる。また、研究協力者とも密に連絡を取っており、こちらに関しても研究プロジェクトの発足と共同論文の作成を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は主に研究打合せ、書籍の購入などが行われた。しかしながら、当初予定であったアンケート調査が行われなかった。このため、次年度にアンケート調査を行う予定である。
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備考 |
広告科学に関しては、研究プロジェクト報告(萌芽)として掲載。
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