研究課題
若手研究(B)
本研究では、低蒸気圧液体への物理蒸着をアモルファス合金に適用するため、カスタムデザインの超高真空対応スパッタ装置を立ち上げた。これにより、イオンコーターの仕様に起因したターゲットの制限などの問題が解決され、多元系のアモルファス合金に対してナノ粒子およびワイヤーを合成・分散化するためのスパッタ条件の最適化を進められるようになった。二次的な結果として、表面吸着分子系の誘導自己組織化現象において電界誘起拡散・凝集モデルを実証した。
表面物理/ナノサイエンス
本研究で取り組んできたアモルファス合金のナノスケール構造体は、ナノ化学分野においてはアモルファス合金という新素材への挑戦となり、アモルファス材料工学分野においてはビルドアップ法によるナノ化という新機軸の提起となる。表面吸着分子系において得られた誘導自己組織化現象に関する基礎的知見は、アモルファス合金ナノ構造体を分散安定化させた流体試料を外場によって制御し、階層構造・配向構造を形成する技術の構築に繋がると考える。