• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

機械学習を用いた南極域周辺における擾乱に伴う雲抽出と降雪量推定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K21585
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

伊藤 香寿恵 (鈴木香寿恵)  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第七部, 科研費研究員 (20455190)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード機械学習 / 衛星観測
研究実績の概要

Grad-CAMと呼ばれる機械学習で学習する際の特徴部位可視化を行う手法を取り入れ、学習時にニューラルネットが衛星雲画像のどこを着目して識別するか確認した。すると、人間の目で着目している高高度の雲ではなく、その雲の要因となっていると考えられる総観規模擾乱を着目していることが判明した。この結果から、現在の手法では検出したい雲を学習していないという可能性が示唆された。もしくは、検出したい雲を探すためには、低気圧をみる必要がある、という可能性もある。このような結果から、教師となるデータを大幅に増やすこと、また識別アルゴリズムと同様に輝度温度差を学習対象にすること、を打開策として打ち立て、データの準備を進めている。
事前解析として、これまでに得られた抽出された雲面積と、現地観測による降雪量の時系列変化について調べた。その結果、高高度の雲面積と、降雪量との関係は正の関連性が見られ、雲面積は降雪量を決める説明変数であることが示唆された。また、降雪量と、雲の発達・消滅の時間変化に着目すると、同様な変動がみられ、時間方向の関連性も強いことが予想できる。問題としては、現地観測による降雪量データは、降雪時に欠測値を取ることが多いうえ、飛雪もよく見られる。これらの状況から、高高度の雲面積を降雪量推定のパラメータとしてどのような形で入力するか検討する必要があるが、事前解析としては十分な成果が得られたと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

学習データ数が不足しているためか、十分な学習結果が得られなかったため、論文執筆に至らなかった。また、これまでの事前解析の論文化を予定し、投稿の準備を行っている。

今後の研究の推進方策

学習データ数を増やすため、衛星雲画像を1年から20年へ大幅に増加させ準備している。また、単一のチャンネルだけでなく複数のチャンネルデータも準備しており、輝度温度差による雲の識別も実施予定である。そのため、本課題の延長申請をした。次年度に十分な学習が行われることが期待され、投稿論文としてまとめる方向である。

次年度使用額が生じた理由

延長した次年度における論文投稿のため、英文校閲費を確保した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] University of Wisconsin-Madison/Brown University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Wisconsin-Madison/Brown University
  • [学会発表] The Detection of Cloud Pattern in the Antarctic Using Convolution Neural Network for Estimation of the Snowfall Amount2018

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, K., Tokunaga, T. and Yamanouchi, T.
    • 学会等名
      Asia Oceania Geosciences Society (AOGS) 15th Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] The cloud patterns in the snowfall conditions at Syowa Station, Antarctica2018

    • 著者名/発表者名
      Kazue Suzuki, Terumasa Tokunaga, Misaki Fukuchi, Takashi Yamanouchi
    • 学会等名
      The Ninth Symposium on Polar Science
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi