研究課題/領域番号 |
16K21588
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
登 久希子 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (50772258)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アート / 参加 / 制作プロセス / 贈与論 |
研究実績の概要 |
本研究は、現代美術の文脈において「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」や「ソーシャル・プラクティス」と呼ばれてきた「市民」の参加や協働を重視するアート実践を人類学的に再検討することを目的としてきた。現代美術における作品形態は、絵画や彫刻といった従来的な物質性を備えた「もの」とは限らず、とくに「もの」より「こと」として言い表されるような実践が注目されるようになって久しい。本研究では、そのようなタイプの試みのなかでも、とくに参加者の存在が作品として成立するプロセスにおいて必須のものを取り上げ、アート的な状況がいかに立ち上がっていくのか、どのような「社会」がそこで構想されているのかをフィールドワークを通して人類学的に検討することを目指してきた。
本年度は最終年度として①追加のフィールドワークと②研究成果の取りまとめとして関係者を招いたシンポジウム、報告書の出版を予定していたが、コロナ禍により育児休暇の実質的な延長を余儀なくされたこと、国外調査を遂行できなかったことにより、コロナ禍における研究遂行及び実績公開の方法の再検討、文献研究、オンラインでの学会発表、研究会への参加といった研究活動に集中することになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「やや遅れている」とした理由は、令和2年度に予定していた①追加のフィールドワークと②研究成果の取りまとめとして関係者を招いたシンポジウムと報告書の出版が、コロナ禍における海外調査の困難と、育児休暇を終えて入園予定にしていた保育園がコロナ禍の影響で消滅し、十分な研究のための時間を確保することが困難になったためである。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度はこれまで続けていたアートプロジェクト及びアーティストの最終的な調査を行う予定にしている。コロナ禍の状況も鑑み、社会的なアートに関わる研究成果の発表やシンポジウムを通したネットワークづくり、情報交換を行うためのオンライン・プラットフォームの立ち上げを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため国外・国内とも移動が難しく、研究の遂行方法を再考する必要があったため次年度使用額が生じた。 次年度は、調査・研究のためのオンライン・プラットフォームの立ち上げとその維持に旅費の大半を代替的に充てることを検討中である。
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