研究実績の概要 |
1. 解析対象を用いた病理組織学的評価の見直しと経口抗がん剤S-1内服後の再発群と無再発群における病理学的な特徴の評価 対象となる胃がん患者症例の病理組織学的特徴について見直しを行い、再発群と無再発群における組織学的な違い(分化度、深達度、脈管侵襲、HER2遺伝子発現、リンパ節転移の程度)について評価した。また、II期症例を用いて胃癌における予後因子あるいは発がん因子と報告されている遺伝子発現(EBER, SALL4, AFP, MLH1, PD-L1, P53)について追加で評価を行い再発との関係について解析した。 2. エピゲノム異常を用いたバイオマーカー探索 スクリーニング検体としてII期における再発症例と非再発症例を用いて、1. における病理学的な事項や年齢や性別に偏りがないように16症例選定した。ホルマリン固定パラフィン包埋検体から腫瘍部分を薄切し、腫瘍箇所をマイクロダイセクションしたのちDNAの抽出をおこない核酸の質評価を行った。現在、こららのDNAを用いてゲノム網羅的にエピゲノムの分布を解析している最中である。エピゲノム解析ではプロモーター領域のCpGアイランドに着目し、両者(再発症例と非再発症例)を区別しうるメチル化サイレンシング遺伝子の同定を行うことを目的としている。現在、今後はそれを免疫組織化学的に評価できる段階までに目指したい。 3. 検証用検体の準備 ゲノム網羅解析に用いた症例および検証用症例を用いてがん部および非がん部を含む薄切組織を準備している。
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