日本においては、中国のジェンダー史に関する専論そのものが乏しい。他方、米国において、中国ジェンダー史は非常に注目を集めている分野である。また、台湾においては、近現代のジェンダー史研究者の働きかけにより、前近代史の研究者もこの分野に関心を持つようになり、次第に成果があがってきている。本研究は、米国や台湾の新潮流を取り入れつつ、日本の中国社会経済史研究の研究蓄積をも利用し、新聞や裁判史料において、男女の描写にいかなる差異があらわれたかを分析することで、中国ジェンダー史の新たな側面を切り開こうとした。
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