研究実績の概要 |
本年度は、前年度までに採取していたサンプルを含め、計画していた3個体×6時期(3/10,4/25,6/13,9/16,11/14,1/19)×3器官(頂端、葉、形成層帯)のサンプリングを終了した。また、既に設計済みのマイクロアレイチップ(約2万遺伝子搭載)を用いて、6時期の遺伝子発現プロファイルが構築できた。器官・時期別の遺伝子発現の類似性を解析するために構築された遺伝子プロファイルデータからクラスター解析を行なったところ、器官・時期別に関わらず変動を見せない遺伝子群がある一方で、変動する遺伝子は大きく2つの傾向がみられた。1つ目は、形成層帯と頂端・葉のグループの2つにクラスターが分かれる結果を示した。この頂端・葉の形成層帯に対するグループ化は、どちらも完全に木化した組織が少なく(頂端は、サンプリング毎に上部3cm程度をサンプルしているため、木部組織と比べて未分化の組織を含む)器官間の組織の類似性を示唆するものであると考えられた。2つ目は、遺伝子発現クラスターは、形成層帯と頂端・葉のグループの2つに別れた後のノードにおいて、さらに、おおよその細胞活動期(4/25,6/13,9/16のサンプル)と細胞休止期(3/10,11/14,1/19のサンプル)の2つにグループ化された。この結果は、発達ステージの違いが遺伝子発現プロファイルに現れていると考えられた。 これら2つのことから構築された遺伝子プロファイルデータからクラスター解析によって、器官間の違いや通年の発達ステージが遺伝子発現に顕著に現れることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り研究を遂行できているものと考えている。本年の計画通りサンプリングを終了した。さらに、もう1つの目的である3個体×6時期(3/10,4/25,6/13,9/16,11/14,1/19)×3器官(頂端、葉、形成層帯)の遺伝子発現プロファイル構築をほぼ完成しており、遺伝子プロファイルデータから解析を行う段階まで進捗している。
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