研究実績の概要 |
昨年度行なった葉・頂端・形成層の3器官から6時期のサンプルの繰り返し3回のデータによる54データセットから2時期を追加してデータを取得し、8時期のサンプルとし合計72データセットとした。これらのデータを既に開発済みである19,360プローブ搭載されたスギカスタムアレイによって遺伝子発現データを取得した。絞り込んだプローブによりPCA解析及び階層クラスタリング解析を行った結果、多くの遺伝子が周期的な発現変動をしていることが示唆された。また、葉と頂端は類似度が高いのに対して形成層は他の組織とは違った発現パターンであることが示唆された。さらに、サンプリングを行なった8つの時期のタイムポイントは、大きく分けると活動期に遺伝子発現が高くなっているグループと休眠期に遺伝子発現が高くなっているグループ分けられた。 オルガン毎に活動期と休眠期に発現差のある遺伝子を抽出した。オルガン毎に、活動期と休眠期に発現差のある遺伝子を抽出した。結果として、どのオルガンにおいても活動期に細胞分裂関連の遺伝子が高発現し、休眠期には、耐寒性等の防御関連の遺伝子が高発現していることが示唆された。葉と頂端は発現遺伝子の機能推定結果においても非常に類似していた。 各器官で明らかになった活動期・休眠期の発現遺伝子グループの共通性をまとめて解析し、活動期4,776プローブ、休眠期3,797プローブを抽出した。各オルガンの共通性を明らかにした結果、共通なプローブがある一方で、各器官特異的なプローブも存在した。 ネットワーク解析では、全てのデータ、夏高発現のグループ、冬高発現のグループの3つのデータセットを用いて解析を行った。データセット毎に、発現変動幅が大きい1000プローブを解析対象として行った結果、ネットワークの頂上に位置し、多くの下流プローブを持つプローブを抽出できた。
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