睡眠覚醒は概日リズムによって制御される代表的な個体行動であるものの、その機構は不明な点が多い。本研究では、これまでの研究の知見から睡眠ホメオスタシスの制御にアセチルコリンの関与が強く疑われていたため、アセチルコリン受容体ファミリーの遺伝子欠失マウスを作製し、睡眠状態の解析を行ったところ、ムスカリン型受容体Chrm1およびChrm3遺伝子欠失マウスにおいて睡眠量の顕著な減少が観察された。また、Chrm1/Chrm3遺伝子の両欠失マウスではより大きな総睡眠量の減少が観察されたことに加えて、レム睡眠がほぼなくなっていることが判明した。
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