研究課題
本研究課題のメインテーマは材料内の欠陥(逆位相境界APBや転位、積層欠陥など)における磁性を電子線ホログラフィーにより直接計測することであり、さらにこの狭所領域の磁性を活用させることで材料全体としての新奇な機能性を発現させることである。特にNi基ホイスラー合金は強磁性のマトリクスを有するが、APBでは規則配列の位相逆転に伴い反強磁性的なスピン構造が安定化されることを見出した。この関係からAPBは180度磁壁と重畳する関係が容易に達成されるが、APB密度が十分大きくなると磁壁導入のエネルギーが大きくなることからこの関係が破れることが想像される。本研究では逆位相ドメイン(APD)サイズを20nm程度まで微細化したホイスラー合金を作製し、磁気物性と磁区組織観察を行った。その結果、APBと磁壁の重畳関係が破れ、通常の強磁性体とは全く異なる磁気物性、磁区組織が観察された。このような関係の破れが起きる臨界APDサイズは、強磁性交換長の大きさと密接に関係していると考えられる。しかしこの物性の正確な評価・測定には高度で希少な研究設備を使用する必要があり、温度依存性の測定まで行うことは難しい。そこで単純な強磁性体であるFe,Niを用い、磁壁内のスピン構造を観察することで交換長を評価できる手法を確立した。これにより、180磁壁内部のスピン構造を電子線ホログラフィーで可視化することにより、交換長をはじめとする磁気物性の評価が可能となった。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 10件) 備考 (1件)
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