明治から戦前にかけて収集された、日本に関係する哺乳類標本の内容と現状、収蔵の経緯を、文献と国内外で収蔵されている標本や台帳の情報から調査した。その結果、明治初期は欧米人による哺乳類の標本収集と研究がなされ、標本は欧米に送られたが、明治末期から日本人による標本収集がはじまり、昭和初期には日本人が標本を体系的に管理し、交換標本を行い、活発な研究活動をするようになったことが判明した。動物学の最初期に収集された東京帝国大学理学部の哺乳類標本は、黒田家に移管され、現在はそのほとんどが国立科学博物館に収蔵されていると判明した。
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