本研究は、親密な関係にある者の間における攻撃行動のエスカレートを予測する方法の開発を目指し、実際にあった事例を調査・分析したものである。調査では親密な関係者間の暴力が複数日にあり、その日付・時期が記載されている判例の判決文を対象とした。繰り返される攻撃行動が、その後早期に殺人事件化する可能性が高い場合の事例特徴を見出すために、生存分析を行った。分析の結果、親密な関係者間の攻撃行動の被害者が避難・相談する相手がいる場合には、被害者自身だけでなく、その相談先になり得る第三者がその後の殺人事件の被害者となる可能性があることが示された。
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