研究課題/領域番号 |
16K21653
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
杉山 雄大 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (20725668)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療政策 / 疫学研究 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
米国National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)のデータを使用し、小児肥満の定義の変化と肥満の認識(小児本人、親、医療従事者)の変化の推移について研究を進めた。小児肥満の定義が、医療従事者の認識を変化させたにも関わらず、小児本人と親には変化が起きなかったことを示した。本研究の結果は、学術雑誌Childhood Obesityに原著論文として掲載された。 薬剤使用と生活習慣の変化(モラルハザードもしくは逆選択)に関して先行研究や書籍を読んで知識を深め、今後の研究内容と、使用する二次解析データ(NHANES他)について検討を進めた。 2017年2月にシンガポールで行われた第2回アジアシステムダイナミクス学会に出席し、システムダイナミクスの手法を学んだ。また、月1回のシステムダイナミクスに関する勉強会を主導した。それらの会で交流した研究者からのアドバイスに基づいて研究を進め、糖尿病教育入院の入院決定基準が病院の空床の度合いによって変化した場合の挙動について研究を行い、糖尿病の病床についてのシミュレーションモデルを作成した。同様に、スタチンやSGLT2阻害薬などの薬剤使用が、本人の生活習慣に対する意識に変容をもたらし、食事内容などが悪化するという仮説に基づき、システムダイナミクスモデルを作成することを検討している。 インターネットパネル調査については、倫理指針の改定が調査期間中に考えられることなどから本年度に行うことは控え、調査項目の検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国National Health and Nutrition Examination Surveyのデータ使用に関しては、小児肥満の認識に関する研究を行う中で、共変量で調整した結果変数の予測値の推移についての手法を学び、また、また、薬剤の使用とカロリー摂取量の関係について、NHANESでコレステロール以外について準備を進めている。 インターネットパネル調査については、初年度に行うことは適当でないと考えたため行わなかったが、第2年度と最終年度で行うことが十分可能と考えている。 新たにシステムダイナミクスの手法を用いたモデリングを行なっており、こちらが現象を可視化する上で大いに役立つと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
インターネット調査の前に、SGLT2阻害薬やスタチンを使用している患者さんへのアンケートやインタビューも検討する。 システムダイナミクスの手法についてはまだ勉強途上であるため、国内・国外の勉強会・学会に出席するなどして理解を深める。
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次年度使用額が生じた理由 |
インターネット調査が、倫理指針の改訂が研究実施期間に行われることが予想され、当該年度は調査を行わなかったため、調査に必要と考えられる金額が次年度に回されることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に計画していたインターネット調査を第二年度に行う。
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