本研究では、アミノ酸トランスポーターSLC15A4がマスト細胞の機能と個体免疫応答に果たす役割を分子レベルで解析し、マスト細胞が媒介する炎症性疾患の新規制御機構を明らかにすることを目標とした。SLC15A4欠損マスト細胞ではリソソームの形態異常、およびヒスタミン合成亢進、またそれに伴ったIgE-抗原刺激によるマスト細胞の脱顆粒時のヒスタミン放出量の増加が認められた。その分子メカニズムとして、SLC15A4がmTORC経路および転写因子TFEBの活性化制御を介してマスト細胞のリソソーム生合成とヒスタミン等の炎症メディエーターの合成/細胞内貯蔵に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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