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2016 年度 実施状況報告書

メタゲノム解析とメタボローム解析を用いた小児好酸球性消化管疾患の腸内細菌叢の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K21670
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

正田 哲雄  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 医師研究員 (00724311)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード腸内細菌 / メタボローム / 好酸球性消化管疾患
研究実績の概要

好酸球性消化管疾患(EGID)は、消化管における異常な好酸球浸潤を特徴とし、主に食物をアレルゲンとしたアレルギー疾患と考えられているが、その発症機序や病態形成のメカニズムは未だ不明である。腸内細菌叢は経口免疫寛容の成立や特定のリンパ球の選択的な分化誘導に関わっているが、経口免疫寛容が不成立あるいは破綻しているEGID患者において、経口免疫寛容に重要な役割を果たす腸内細菌叢に関して十分な検討はない。
本研究では、EGIDの便・組織検体を用いた腸内細菌叢解析ならびにメタボローム解析により、未だ解明されていない疾患特異的な腸内環境パターンや組織特異的な関連微生物ならびに代謝産物を明らかにすることを目標とし、研究実施計画(2016年度:①便を用いた細菌叢解析とメタボローム解析、②内視鏡サンプルを用いた局所細菌叢解析、2017年度③前年度データの統合解析)を立案した。今年度は主に予定していた検体の収集と細菌叢・代謝物の測定を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、EGIDの対象者5名とともに小児炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎とクローン病)の疾患対照者10名から検体を採取することができた。便ならびに内視鏡サンプルからのDNA抽出も問題なく、次世代シーケンサーによる腸内細菌叢解析を施行することができた。また、便検体については限外濾過などの前処理の後に、キャピラリー電気泳動-質量分析計によるメタボローム解析を施行した。

今後の研究の推進方策

予定通りデータが得られているため、それぞれのデータを順次解析していく予定である。
EGID群、IBD群(潰瘍性大腸炎;UC群, クローン病; CD群)の群間での差異を比較し、疾患特異的な腸内細菌叢ならび代謝産物を明らかにするとともに、各群における局所での細菌叢解析を明らかにする。また、それらのデータを統合解析することにより、どのような代謝産物・化合物がどのような細菌種と有意に相関しているか、EGIDに関わる腸内環境の特徴を解析する。

次年度使用額が生じた理由

次年度も引き続き解析を行う必要があるため

次年度使用額の使用計画

疾患特異的な腸内細菌叢ならび代謝産物を明らかにするための統合解析実施費用および成果発表に係る費用

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Factors Associated with Development of Food Allergy in Young Children after Liver Transplantation: A Retrospective Analysis of 10 Years' Experience2017

    • 著者名/発表者名
      Mitsui M, Shoda T, Natsume O, Nomura I, Narita M, Fukuda A, Sakamoto S, Kasahara M, Ohya Y
    • 雑誌名

      J Allergy Clin Immunol Pract

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gene expression patterns in distinct endoscopic findings for eosinophilic gastritis in children2017

    • 著者名/発表者名
      Sato M, Shoda T, Shimizu H, Orihara K, Futamura K, Matsuda A, Yamada Y, Yoshioka T, Shimizu T, Ohya Y, Nomura I, Matsumoto K, Arai K
    • 雑誌名

      J Allergy Clin Immunol Pract

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Serum biomarkers for diagnosis of eosinophilic esophagitis and eosinophilic gastroenteritis.2017

    • 著者名/発表者名
      Ishihara S, Shoda T, Ishimura N, Ohta S, Ono J, Azuma Y, Okimoto E, Izuhara K, Nomura I, Matsumoto K, Kinoshita Y
    • 雑誌名

      Intern Med

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Eosinophilic esophagitis versus proton pump inhibitor-responsive esophageal eosinophilia: Transcriptome analysis2017

    • 著者名/発表者名
      Shoda T, Matsuda A, Nomura I, Okada N, Orihara K, Mikami H, Ishimura N, Ishihara S, Matsumoto K, Kinoshita Y
    • 雑誌名

      J Allergy Clin Immunol

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.jaci.2016.11.028

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Yogurt consumption in infancy is inversely associated with atopic dermatitis and food sensitization at 5 years of age: A hospital-based birth cohort study2017

    • 著者名/発表者名
      Shoda T, Futamura M, Yang L, Narita M, Saito H, Ohya Y
    • 雑誌名

      J Dermatol Sci

      巻: 86 ページ: 90-96

    • DOI

      10.1016/j.jdermsci.2017.01.006

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 好酸球性食道炎の分子機構-食道での発現蛋白解析データを中心に-2016

    • 著者名/発表者名
      正田哲雄
    • 雑誌名

      G.I.Research

      巻: 24 ページ: 175-180

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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