研究課題/領域番号 |
16K21671
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
清 拓哉 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究員 (40599495)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バッタ / キリギリス / DNAバーコーディング |
研究実績の概要 |
バッタ目キリギリス科昆虫類のDNAサンプルを収集するために関東地方で5カ所(茨城、東京)、近畿(滋賀)・四国(徳島)でそれぞれ1ヶ所ずつフィールド調査を梅雨明けから初秋ごろにかけて実施した。調査は見つけ採りによって行われ、採集されたキリギリス類は右側の脚を数本切断し、それを無水エタノールにつけてDNAサンプルとして冷凍庫(-18度)で保存している。これらのサンプルからDNA抽出を行った後、パソコンでのデータの整理・入力後、当館標本資料センターのディープフリーザー(-80度)で保管することとしている。脚を数本切断した後の体は整形・乾燥後、標本として、上記DNAサンプルと対応がつくようなかたちでラベル付けなどが行われ、国立科学博物館の標本収蔵庫で保管される。音声データについては、当該年度中に採集された個体がほぼすべてメスであったことから、鳴き声データの録音・収集はあまり進捗しなかった。 DNAの塩基配列の解析については、上記のDNAサンプル数個体分を初期解析の対象としておこなっている。ミトコンドリアのCOI遺伝子の一部をPCRによる増福し、配列決定を行うことによって種同定を行うDNAバーコーディングの作業を始めている。実際にDNA抽出をおこない、PCRをおこなったところ、現在用いているPCR用のプライマーではDNAの増福成功率が極めて低いため、プライマーの再設計が必要と判断している。近縁な昆虫類のCOI遺伝子の塩基配列を参考にして再設計を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H28年度は関東近縁で主にフィールド調査を行い、サンプルの採集を行ったが、採集される個体の性比がメスに大きく偏っており、音声データの採集が遅れている。 DNAバーコーディングのためのミトコンドリアのCOI遺伝子の配列決定はPCR用プライマーの再設計が必要な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度は北海道および関東、東北の各地方でフィールド調査を予定している。フィールド調査における採集個体の性比がメスに大きくかたよるようであれば、DNAサンプルの収集に専念し、鳴き声のデータ解析などは調査規模を縮小する。 DNAバーコーディングのためのPCR用プライマーの再設計が必要であり、今年度行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フィールド調査を行う地域を関東近辺に絞ったため、旅費がほぼかからなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は北海道、東北地方などでのフィールド調査を行う旅費として使用する。
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