本研究は液体水素を用いた水素ステーションに多量にあるが、現在未利用の液体水素冷熱を活用する熱化学的な水素昇圧の研究開発である。これは水素貯蔵合金の水素吸蔵放出圧が、温度上昇と共に指数関数的に上昇する性質を利用する。液体水素冷熱を活用するため、マイナス数十度の低温から80℃程度までの昇温で昇圧することを想定している。そのため本研究では、室温程度で用途に応じ水素放出圧20‐70MPaを示す合金の探索から着手し、20MPa水素カードル充填用に有望なAB2型Ti(CrMnFe)2合金を見出した。 材料探索と並行して80MPa高圧水素雰囲気下でも水素特性を測定・評価できる設備を整備し、原理実証した。
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