研究課題/領域番号 |
16K21673
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
堂前 篤志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 物理計測標準研究部門, 主任研究員 (20357552)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | SI単位系 / インピーダンス / 標準器 |
研究実績の概要 |
2018年以降、SI単位系は基礎物理定数を基にした新体系(新SI単位系)へ移行する見込みである。新SI単位系に基づく先端エネルギーデバイス(LIBや燃料電池など)の評価体系の構築を最終目的に、本課題ではその評価体系のキーデバイスとなる参照インピーダンス標準器を開発し、その性能をISOガイドに従い評価することを目指している。今年度は、「参照インピーダンス標準器の設計・製作」と、「開発品評価の準備」の2本立てで研究開発を進めた。 「参照インピーダンス標準器の設計・製作」では、まず参照インピーダンス標準器の最適なサイズを計算によって求めた。計算にあたっては、製作部材の入手容易性やコストなども考慮した。次に、求めたサイズを基にして製作に必要な部材の調達を行った。そして、参照インピーダンス標準器の製作着手した。インピーダンス基準器開発の経験から、抵抗線材とその支持部材との接合部(はんだ付け等による接合)によって生じる機械的歪みがインピーダンス値のドリフトに影響を与えると推測される。この影響を小さく抑えるための接合方法について検討した。そして、歪みが少ないと考えられる接合方法で製作の条件出しを進めている。 「開発品の評価の準備」では、参照インピーダンス標準器の評価で使用するための治具や配線機器の準備を進めた。具体的には、評価で必要となる抵抗測定器のスペックを精査し、要求に見合う機種の調達を行った。また、抵抗値評価で必要となる測定治具の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
部材の納入に時間がかかり、製作に着手するのが遅れたため。また、抵抗線材とその支持部材との接合において、接合に使用する機器の条件出しに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
「参照インピーダンス標準器の設計・製作」では抵抗線材とその支持部材との接合において、接合に使用する機器の条件出しを進める。 「開発品の評価の準備」では、参照インピーダンス標準器の製作と1次評価を並行して行い、1次評価結果を製作にフィードバックさせることで、参照インピーダンス標準器に起因した不確かさの低減を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
部材等の調達ににおいて納入業者間の見積競争を実施したことにより、当初見込み額よりも安価に部材等を入手することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
必要な消耗品等の購入に当てる。
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