研究課題/領域番号 |
16K21677
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
野々垣 進 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30568613)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地質情報 / Web / データベース |
研究実績の概要 |
本研究では,地質の研究者・技術者が共同で各自の野外踏査で得た地質情報を電子情報として集約し,それらから得られる地層の分布形態・地質構造を,誰しもが理解しやすい3次元地質情報としてWeb上で共有する手法を検討する.本年度の主な成果は次の通りである. (1)地質情報の収集および電子化手法の検討:千葉県木更津地域を中心として,地質図類・堆積柱状図などの地質情報を収集した.収集した地質情報のうち,位置情報がデジタルの数値データとして残されていない堆積柱状図について,電子化およびデータベース管理する手法を検討した. (2)地質情報の共有サーバーのソフトウェアとデータベースの更新:地質情報の管理や3次元地質モデリング,Web配信を行うためのサーバーコンピューターのソフトウェアをアップデートした.また,(1)の検討結果に基づいて,サーバーコンピューター上に,堆積柱状図を対象とする地質情報の管理データベースを構築した. (3)地質柱状図のWeb共有手法の検討:昨年度開発したボーリング柱状図の検索と,検索結果の3次元表示をWeb上で行うプロトタイプシステムを改良し,(2)でデータベース化した堆積柱状図の検索機能を追加した. (4)地層境界の形状推定法の改良:地層境界の形状推定法に,不等間隔節点によるスプライン平滑化理論を導入し,これまでよりも高い精度で形状推定を行う方法を提案した.同時に,一部の計算パラメータを入力データから自動的に設定する方法を提案した.また,これらの方法を,昨年度開発した地層境界の形状推定システムを適用した.テストデータを用いて動作確認を行い,改良システムの機能が問題なく動作することを確認した. (5)成果発表:上記の中間成果をまとめて,国内学会と国際学会で成果発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度計画していた(1)地質情報の収集および電子化手法の検討,(2)地質情報共有のためのコンピューターサーバーの更新,(3)地層境界の形状推定法の改良,(4)問題点の整理をすべて遂行し,その成果を国際学会および国内学会で発表したことから,全体としておおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
3次元地質情報,特に3次元地質モデルのWeb共有システムの改良を進める.研究計画に変更はない.具体的な研究内容は次の通りである. (1)3次元地質モデルの構築:これまでに収集・データベース化した地質情報を利用して3次元地質モデルを構築する. (2)平面図の表示機能の改良:地質図などの平面図をオーバーレイ表示・切り替え表示するための機能をWeb共有システムに追加する. (3)断面図の表示機能の追加:Webブラウザ上で3次元地質モデルの断面図を作成・表示するための機能をWeb共有システムに追加する. (4)立体図の共有機能の追加:3次元地質モデルから作成した立体図を共有するための機能をWeb共有システムに追加する. (5)問題点の整理と成果発表:地質情報の電子化手法,地層境界の形状推定法およびWeb共有システムの問題点を整理する.研究成果はまとめて,国内学会または国際学会で発表する.
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