研究実績の概要 |
本年度は、当該研究課題を進める上で重要な新しい同位体分析手法を確立し、鉱床からの採取試料に応用した。具体的には、共同研究者と協力しイオンクロマトグラフィーとフラクションコレクタを用いた迅速なLi, Mg同位体分析用元素分離システムを確立し、国際誌に報告した(Yoshimura and Araoka et al., 2018, Journal of Chromatography A)。また、ホウ酸塩溶融を用いた固体試料の簡便なLi, Mg, Sr同位体分析用元素分離システムを開発し、現在筆頭論文を国際誌に投稿中である。 また、カナダの炭酸塩胚胎レアアースー蛍石鉱床において、コア試料を用いて鉱物毎のMg,Sr同位体比を測定し、同位体比深度プロファイルを明らかにした。Mg同位体比、Sr同位体比共に大きな変動があり、ドロマイト化などの地質記録を反映している可能性があり、現在結果を解析中である。他に、ガンジス・プナマプトラ川における河川水中のLi同位体比変動を明らかにし、低温での水ー岩石反応時のLi同位体比の挙動を解析した結果を国際誌に報告した(Manaka and Araoka et al., 2018, Geochemistry Geophysics Geosystems)。さらに、ジルコンを用いた放射年代測定においては、栃木県八溝地域の馬頭岩体に産する深成岩類を対象に、形成時期および形成プロセスを明らかにした結果を国際誌に報告した(Ejima et al., 2018, Island Arc)。
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