AhRリガンドであるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BUVSs)のリスク評価を試みた。まず、8種の主要なシトクロムP450によるBUVSsの酸化的代謝を検討した。その結果、BUVSsはAhR依存的および非依存的な複数のシトクロムP450によって酸化されAhRリガンド活性を失うこと、更にUV-P、UV-9については酸化的代謝物の存在を確認した。また、umu試験を用いてBUVSsのDNA損傷性を評価したところ、UV-326を除いていずれも陰性であり、総合して低リスク群のリガンドであるとと推察した。UV-326は陽性に近い反応を示したため、より詳細なDNA損傷性の解析が必要だろう。
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