製品価格が残差項と相関を保つ場合、需要の価格弾力性の推定量にバイアスが生じる。そのような内政問題を避けるために、殆どの場合製品価格とは相関を持つが残差項とは無相関であると考えられる変数を使う操作変数法が用いられる。その殆どの場合において、操作変数の妥当性は、分析者の恣意的な主張に依存する。 本研究で開発された費用のデータを用いた推定法は、そのような内政問題を費用のデータを用いて解消しているので、もはや恣意的な操作変数を用いる必要がなくなり、研究結果の客観性を確保する。よって、操作変数を用いない推定方法による需要関数の推定は、それを用いて行う産業政策の政策評価に客観性をもたらすことが期待される。
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