研究課題/領域番号 |
16K21746
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腫瘍生物学
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
小林 進 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (70792836)
|
研究分担者 |
犬塚 博之 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (20335863)
|
研究期間 (年度) |
2018 – 2021
|
キーワード | チロシンキナーゼ / 肺癌 / EGFR / 薬剤耐性 |
研究成果の概要 |
非小細胞肺癌におけるEGFR チロシンキナーゼ阻害薬の導入は、固形癌治療における分子標的療法の有効性を示したが、治療開始時の劇的な効果にもかかわらず、ほぼすべての患者で再発する。従って、治療耐性の克服法の開発が早急に求められている。本研究において、EGFR 遺伝子活性型変異を伴う非小細胞肺癌では、細胞内小分子であるβ-catenin がチロシンリン酸化され、転写因子であるTBX5 を活性化し抗細胞死分子であるBCL-xLの発現上昇を誘導してEGFR チロシンキナーゼ耐性を起こすことを明らかにした。この経路を抑えることで、耐性の出現を予防し非小細胞肺癌の予後を向上させることが期待される。
|
自由記述の分野 |
腫瘍学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非小細胞肺癌におけるEGFR遺伝子活性型変異の発見とEGFRチロシンキナーゼ阻害薬の導入は、固形癌治療における分子標的療法の有効性を示した。しかし、治療開始時の劇的な効果にもかかわらず、ほぼすべての患者で再発が認められ、進行性非小細胞肺癌の完全治癒には至っていない。本研究は、細胞株、実験動物、患者検体を用いてEGFR阻害薬に対する耐性機構の一部の解明と、その克服法を示したという点で、極めて学術的・社会的意義の大きい研究であると考える。今後、実際の臨床応用を見据えたさらなる研究が必要である。
|