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2021 年度 実績報告書

遺伝子改変制御性T細胞を用いた炎症性疾患治療の実現を目指した基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K21751
研究機関九州大学

研究代表者

知念 孝敏  九州大学, 医学研究院, 講師 (80432912)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードT細胞 / 細胞療法
研究実績の概要

Foxp3陽性制御性T細胞は、免疫応答の調節役として機能する。制御性T細胞の持つこの免疫抑制能を炎症性疾患治療に活用すべく研究を進めている。特に、制御性T細胞上に発現する抗原受容体(T細胞受容体)と受容体下流のシグナル伝達分子に遺伝子改変を施し、改変制御性T細胞の生体内でのふるまいを観察する事で、制御性T細胞による免疫抑制の過程において、抗原受容体や抗原特異性がどのような役割を果たすのかについて解明を行う事を試みている。
令和3年度は、令和2年度に引き続き、ウィルスベクターを用いてマウス由来T細胞株やマウス由来制御性T細胞(初代培養細胞)に遺伝子改変を加え、改変受容体の最適条件について検討を行った。リンパ球欠損マウスへの改変制御性T細胞の移入も行い、免疫抑制能の評価も行った。シグナル伝達部位の組み合わせや抗原特異性の異なる複数のキメラ抗原受容体を作製し、in vitroでの試験により、制御性T細胞の性質を損なう事なく、抗原刺激により抗原特異的に制御性T細胞の良好な増殖を促すキメラ抗原受容体の選別する事ができた。しかしながら、これらのキメラ抗原受容体を発現する制御性T細胞をマウス生体に移入しても、細胞が急速に失われる、もしくは、制御性T細胞の機能に必須の役割を果たす転写因子Foxp3の発現を失い、制御性T細胞として機能しなくなる、という問題が起こり、正常に機能する改変制御性T細胞を得る事ができなかった。Foxp3発現の消失もしくは細胞そのものの消失の原因を探るべく、認識する抗原と受容体下流のシグナルに更に変更を加えたキメラ抗原受容体をこれまで以上に多数作製し、これらを発現させた改変制御性T細胞のプールを生体に移入し、残存する制御性T細胞の解析を行っている。このような受容体の持つ特性(認識抗原や下流のシグナルの特性)についての知見を集積中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] The treatment effects of acotiamide in esophagogastric outflow obstruction: a prospective longitudinal observational study2021

    • 著者名/発表者名
      Ihara Eikichi、Ogino Haruei、Muta Kazumasa、Hamada Shohei、Wada Masafumi、Hata Yoshitaka、Ikeda Hiroko、Bai Xiaopeng、Minoda Yosuke、Esaki Mitsuru、Tanaka Yoshimasa、Chinen Takatoshi、Ogawa Yoshihiro
    • 雑誌名

      Esophagus

      巻: 19 ページ: 332~342

    • DOI

      10.1007/s10388-021-00887-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of interstitial cells of Cajal in nicotinic acetylcholine receptor-induced relaxation of the porcine lower esophageal sphincter2021

    • 著者名/発表者名
      Otsuka Yoshihiro、Bai Xiaopeng、Tanaka Yoshimasa、Ihara Eikichi、Chinen Takatoshi、Ogino Haruei、Ogawa Yoshihiro
    • 雑誌名

      European Journal of Pharmacology

      巻: 910 ページ: 174491~174491

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2021.174491

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mucosal IL23A expression predicts the response to Ustekinumab in inflammatory bowel disease2021

    • 著者名/発表者名
      Nishioka Kei、Ogino Haruei、Chinen Takatoshi、Ihara Eikichi、Tanaka Yoshimasa、Nakamura Kazuhiko、Ogawa Yoshihiro
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: 56 ページ: 976~987

    • DOI

      10.1007/s00535-021-01819-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mucosa-associated gut microbiota reflects clinical course of ulcerative colitis2021

    • 著者名/発表者名
      Nishihara Yuichiro、Ogino Haruei、Tanaka Masaru、Ihara Eikichi、Fukaura Keita、Nishioka Kei、Chinen Takatoshi、Tanaka Yoshimasa、Nakayama Jiro、Kang Dongchon、Ogawa Yoshihiro
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 1~12

    • DOI

      10.1038/s41598-021-92870-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Discriminant equation using mucosally expressed cytokines and transcription factor for making definite diagnosis of inflammatory bowel disease unclassified2021

    • 著者名/発表者名
      Okuno Hiroaki、Ogino Haruei、Ihara Eikichi、Nishioka Kei、Tanaka Yoshimasa、Chinen Takatoshi、Kohjima Motoyuki、Oono Takamasa、Tanaka Masatake、Goya Takeshi、Fujimori Nao、Iboshi Yoichiro、Gotoda Takuji、Ogawa Yoshihiro
    • 雑誌名

      BMC Gastroenterology

      巻: 21 ページ: 1~10

    • DOI

      10.1186/s12876-021-01656-1

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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