本研究で主たる対象とした制約付きマッチングは情報科学と経済学において理論と実証の双方において重要な応用例である.例えば,電力の売り手と買い手の予算制約付き安定マッチングや児童と保育園のカップル制約付きマッチングの下で人や資源をどのように組み合わせるのが望ましいかの規範を与えることができる.本研究では問題のの数理構造を明らかにすることを起点に,1)存在性を保証するためにどのように安定性概念を緩めるか,2)制約下での最大安定マッチングを求める問題の計算量,3)実際のデータとの比較に資するよう基数的効用でのモデル化,のそれぞれに成果を上げることができた.
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