本研究では,二者間の関係を自己利益と他者利益の相対量によって相対化し,情動に影響を与える信号である,言語情報,行動,表情が人間関係に与える影響のモデル化を行った.研究によって,人が相手の表情を観察することで,相手の意図を推論する情報処理過程をベイズ推論でモデル化できることがある程度妥当であることが分かった.またアバターを介したインタラクションにおいて,アバターの振舞いに表情および民族性を付加することで,非好意バイアスが改善されるが確認された.また,個人の社会的価値指向性の違いによって,言語情報,行動,非言語情報の情報処理に違いがあることが分かった.
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