近位大動脈スティフネスの加齢変化特性の解明を試みた。さらに、近位大動脈の拍動緩衝機能と脳の構造や機能、さらには脳血管疾患や認知症の発症リスクや重症度との関係性を明らかにすることを目的とした。近位大動脈の加齢変化が、遠位部に比べ著しいことを明らかにした(遠位大動脈が10年間で+10%程度に対し、近位大動脈では+14%以上)。また、脳血管機能に対する加齢及び習慣的身体活動の影響、並びに認知症の発症リスクとの関係性を検討し、脳血管インピーダンスは①加齢とともに増大すること、②軽度認知症患者では同年代の健常者よりも高いこと、③習慣的有酸素性運動によって低下すること、を確認した。
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