硝酸性窒素による地下水汚染の効率的な対策と修復を講じるにあたって,数値計算モデルによるシミュレーションが有効である.そこで,本研究ではFREEWATソフトウェアを適用して,汚染が進展していく過程と,修復対策の効果について検討を加えた.定常状態の地下水流動シミュレーション結果は,観測された水頭データをよく再現した.硝酸性窒素の輸送シミュレーション(MT3DMSを使用して実行)によると,濃度変化の一般的な傾向は,過去44年間の観測値と概ね一致した.発生源の硝酸塩負荷を40%削減した場合の修復シミュレーションでは,硝酸性窒素の濃度が飲料水基準を下回るまでに約18年かかることが示された.
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