本研究は海洋上の大気微量成分濃度の定量化を目的としている。海洋は清浄ではあるが地球の大部分をしめ、地球規模での大気化学過程 (大気環境) に重要な役割を果たす。
海洋大気中のハロゲン物質濃度定量化のためのDOAS (Differential Optical Absorption Spectroscopy) 分光法のアルゴリズムの高精度化・解析手法の高度化に関する研究を実施した。渡航先のベルギー宇宙航空学協会が開発しているDOAS 解析プログラム・放射伝達モデルを利用し、プログラム技術者・研究者の協力を得ながら、これまで地球規模の船舶観測で得られた太陽散乱光スペクトル観測データを用いて、南半球から北極海の広域にわたる海洋上 (海洋上の大気境界層内) でのハロゲン物質 (一酸化ヨウ素IO 等) の導出を行った。またその変動の解析、ボックスモデルを用いた変動要因の解析を行った。さらにホルムアルデヒド (HCHO)、窒素酸化物 (二酸化窒素NO2) の導出を行い、極軌道人工衛星観測データとの比較を行った。
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