本研究の学術的意義は、従来、清朝のモンゴル支配のツールであり象徴でもあった駅站を、社会史的視点で捉え直した点にある。本研究によって、清代モンゴル社会の人的流動性の高さ、駅站が持つ人や情報を結び付ける結節点としての機能、駅站を取り巻く地域社会の状況などを明らかにした。 また、現存する駅站関連遺跡の遺構状況、今も駅站跡地周辺に暮らす「ハラチン集団」への聞き取り調査を行い、清代駅站研究が持つ現代的意義についても明らかにした。これらの成果は国際シンポジウムや査読誌などで発表したほか、現地メディアでも取り上げられた。
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