研究実績の概要 |
2019年3月28日にトルコ共和国アンカラの中東工科大学に客員准教授として赴任、歴史学科のオメル・トゥラン教授との共同研究を進めた。アンカラとイスタンブルを中心として史料収集および諸研究者との意見交換を行うとともに、学会や研究会に参加、トルコにおける最新の研究動向のフォローアップに努めた。年度末、トゥラン教授ほかの研究者を招いて九州大学において予定していたシンポジウムは、国際状況の悪化もあり十分な調整ができずに未開催に終わったが、それ以外では以下の研究成果を挙げることができた。 2019年6月3-4日に、ギリシャのアテネで開催された17th Annual International Conference on History & Archeology: From Ancient to Modernに参加し、3日に「Creating New Muslim History: Turkish Experience in the Early 20th Century」と題した報告を行った。この研究では、オスマン帝国末期からトルコ共和国初期におけるムスリム意識がどのように表象されているかを論じた。 2020年1月24-25日に、アメリカ合衆国のユタ大学で行われたワークショップWar and Independenceに参加し、24日に「Multi-fasets in the Outlines of Turkish History, 1930-1938」と題した報告を行った。この研究では、トルコ共和国初期において断行された強権的な文教政策と、それに対する知識人たちのネゴシエーションについての考察を行った。この内容は、後日刊行される論集に学術論文として収録されれる予定である。
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