本研究では,環境投資問題の1つとして,再生可能エネルギー利用割合基準(Renewable Portfolio Standards; RPS)の政策決定問題を分析した.具体的には,非再生エネルギー事業者と再生エネルギー事業者が両方とも存在する市場において,政策決定者の投資問題として定式化し,最適な投資タイミングとRPS目標値を求めた.主な研究成果として,(1) 不確実性が高い場合は政策変更のタイミングが遅れ,RPS目標値が高くなること,(2) 社会が排出ガスに関して不寛容であるほど,高いRPS目標へと早期に政策変更し,その結果としてエネルギー事業者の発電量は削減されることが分かった.
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