研究成果の概要 |
文化心理学の記号論的アプローチに基づいて子どもの自己を捉えるために研究代表者が提示したPresentational selfの概念(Komatsu, 2010)について,Jaan Valsiner教授(デンマーク,オールボー大学)とともに理論的に精緻化し,相互作用における意味構成と自己の生成に着目した理論モデル(理解の枠組み)を生成した。これは関係志向的に,解釈者としての観察者を含めて意味構成のプロセスを捉えるものである。また,当モデルの実証的基盤である子どもの意味生成と自己のあらわれについて,生活の中の多重的な弁証法的緊張関係に基づくこと,また,制度的文脈(学校教育)との関連を考察した。
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