研究実績の概要 |
本国際共同研究では、Gareth Myles教授を海外共同研究者、アデレード大学を研究拠点とした。アデレード大学滞在期間は2017年度・2018年度(2018年2月24日~2019年3月5日)であり、2019年度は主として日本国内にて共同研究を行った。研究主題は「公共財供給の制度設計に関する理論的研究」であり、現実の経済環境に即した公共財の私的供給に関する制度設計を分析対象とする理論モデルの構築とその均衡についての解析を行なうことが目的である。本研究計画では、現実的な経済環境を考慮した経済モデルを構築、各種の公共財供給についての制度設計を検証することを主目的として、(i)分析の基本となるモデルの構築、(ii)現実に即した様々な制度設計の基本モデルへの導入及び均衡分析、(iii)基本モデル及び拡張モデルの実証的検証と政策的示唆の導出、(iv)研究の総括と学術成果物の取り纏めの4つを包含している。本年度は昨年度までに完成させた研究成果の精緻化と研究成果報告を中心に研究を進めた。特に、現実の財政制度を考慮に入れたモデルに一般化し、最適な公共財供給を実現する財政移転制度を明らかにした研究成果を学術論文"Unemployment, Tax Competition, and Tax Transfer Policy"としてまとめ、所属機関ワーキングペーパーとして公刊しするとともに、国際学会での報告を行った。
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