本研究の第一の成果は、アメリカ法から学んだ日本法には存在しない財産管理・承継に関する制度を、その背景も含めて検討し、その背景の分析を行った上で、日本への応用可能性を示した点にある。第二の成果は、それらをふまえて、近時の日本法の改正や判例動向を分析し、それらを再検証することによって、今後の日本法の改革の在り方を明らかにした点にある。さらに、本研究の副産物として、日本ではほとんど知られていないものの、アメリカ法では一般的な"Elder Law(高齢者法)"という学問領域を発見し、高齢者の財産管理・承継をより学際的な視点から扱う可能性を示した。
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