製造業者が製品・サービスを最終顧客に届けるためには、直接販売を行うか、卸売業者や小売業者などの流通業者を用いて間接販売を行う必要がある。間接販売を選択した場合、製造業者は流通業者を用いて流通チャネルを形成する。取引費用分析によると、流通業者が関係特定的投資を要求される場合、流通業者は流通チャネルへの参加をためらう。しかし、現実には多くの流通業者が流通チャネルに参加している。本研究はこのパズルを解明するために、関係特定的投資を伴う取引関係の開始にあたっての流通業者のモチベーションとして、制御焦点要因に注目し、日米の流通チャネル形成にどのような違いがあるのかを見出すことを目的として行われた。
|