研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究の目的は,認知行動療法(CBT)のセッションの様子を録画した動画を用いて,CBTプログラム内におけるセラピスト-子ども-親の間の相互作用の分析を行い,日本と欧米諸国の比較を行うことであった。本研究の結果,日本とオーストラリアの子どものCBTにおけるセラピスト-子ども-親の間の相互作用の違いが明らかになるとともに,両国における初回セッションから最終セッションにおける変化も示された。以上の結果から,CBTの文化的適応に関する臨床的な示唆が得られた。
臨床心理学
同じ心理療法においても,実際のセッション内において,セラピスト,子ども,親の間でどのようなやりとりの違いが国際的に見られるのかについて,本研究では初めて実証的に示すことに成功した。この成果は,異なる文化における心理療法の文化的適応に関する臨床的な示すものである。さらに,本研究で用いた国際比較の方法は,他国間での実施や,他の心理療法や障害における比較にも拡張可能な手法であり,当該分野の更なる研究促進につながるものであると言える。