研究課題/領域番号 |
16KK0104
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
尾上 哲治 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60404472)
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研究協力者 |
リゴ マニュエル パドヴァ大学, 地球科学科, 准教授
海老原 充 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授
佐藤 峰南 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 上席研究員
山下 勝行 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 地質学 / 地球化学 / 層位・古生物学 |
研究成果の概要 |
本研究では,イタリアおよびオーストリアに分布する石灰岩を対象にしたコノドント化石層序および地球化学的検討を行い,天体衝突が起こった可能性のある後期三畳紀ノーリアンの古環境変動について検討した.研究の結果,この年代ではコノドント化石群集の大きな変化がみられることが明らかになった.同時期にはストロンチウム同位体比の負の変動も確認された.石灰岩から抽出したコノドントを対象に酸素同位体比を測定した結果,衝突が起こった年代付近において,海水温が大きく変化した可能性が示された.有機炭素同位体比の検討からも,ノーリアン後期の隕石衝突イベント付近の年代で基礎生産が低下したことが明らかになった.
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自由記述の分野 |
層序学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では,白亜紀/古第三紀境界だけが天体衝突が生物に及ぼす影響を評価できる唯一の研究対象であると考えられてきた.本研究では,応募者が発見した三畳紀後期の巨大隕石の衝突が,当時の生物や海洋環境にどのような影響を与えたかについて,ヨーロッパの上部三畳系石灰岩を対象とした野外調査および地球化学的検討(基礎生産,海水温など)に基づいて評価した.本研究の成果を基礎として,将来的には衝突した隕石の種類や大きさによって,どの程度の環境変動を引き起こし,絶滅などの地質イベントにつながったかについて定量的に議論できるようになると期待される.
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