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2019 年度 実績報告書

最新データ同化技術の水環境シミュレーションにおける活用の体系化(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 16KK0128
研究機関大阪大学

研究代表者

入江 政安  大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00379116)

研究期間 (年度) 2017 – 2019
キーワードデータ同化 / 沿岸域 / 水環境 / 貧酸素 / 流動モデル / 水質モデル / アジョイント法 / 4次元変分法
研究実績の概要

本年は,再現精度の異なる2つの水質モデルを準備し,水質モデルの現象の再現性低下が同化効果に及ぼす影響を把握した.一方は植物プランクトンの増殖において最適水温のないタイプの水温依存関数を持つ植物プランクトンを1種のみ考慮したもので,他方は季節によって優占種が異なる珪藻について,最適水温を考慮した水温依存関数をもつプランクトンが3種含まれるモデルである.当然後者のほうが同化なしの場合の年間を通した再現精度は高い.
後者については4次元変分データ同化に必要となる接線形モデルおよびアジョイントモデルを再構築し,データ同化を行った.どちらのモデルもデータ同化により,観測値に近いクロロフィル濃度分布や溶存酸素濃度を得ることができた.観測データ近傍では,もとのモデルの精度による違いは,データ同化を繰り返す中で,たかだか1.5日程度で解消される.一方で,観測点から遠い地点では差は大きく,あるいは,一つの同化サイクル(今回の検討の中では12時間)の中でも初期場の修正が終わって以降は徐々に乖離する様子が見て取れた.このことから,同化サイクルや得られる観測データの位置の分布(偏在のしかた)によっては元モデルが低性能であることを無視できないことを示した.
最後に,モデル自体の精度向上を図る取り組みでは,データ同化期間中にパラメータの最適化を行うことにより,水質モデル内のモデル係数を現地観測データから自動で推定する技術を確立した.その結果,同化を用いない計算でもモデルの再現性が向上することを確認した.
これらの検討結果を用いて現在3本の論文を投稿中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019 2018

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ダルハウジー大学理学部海洋学科(カナダ)2018

    • 年月日
      2018-03-01 – 2018-06-05 | 2018-08-132018-11-06 | 2019-05-052019-05-11
    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      ダルハウジー大学理学部海洋学科
    • 主な海外共同研究者名
      Katja Fennel
    • 職名
      教授
  • [学会発表] 二重数を用いた4次元変分データ同化の大阪湾低次生態系モデルへの適用2020

    • 著者名/発表者名
      永野隆紀,井上凌,岡田輝久,入江政安
    • 学会等名
      2020年度土木学会関西支部年次学術講演会
  • [学会発表] アンサンブルカルマンフィルタを用いた水質モデルパラメータの最適化と大阪湾のDO収支への影響評価2020

    • 著者名/発表者名
      吉野泰司,高橋祐馬 ,入江政安
    • 学会等名
      2020年度土木学会関西支部年次学術講演会
  • [学会発表] Assimilation of vertical chlorophyll and oxygen profiles using the lognormal four dimensional variational method: A case study in Osaka Bay, Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Masayasu Irie, Kohei Noda and Teruhisa Okada
    • 学会等名
      Ocean Predict ’19
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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