本研究は半導体中の励起子を利用した差周波混合によるテラヘルツ電磁波の発生に関して、励起子の役割を明らかにすることを目的に行われた。半導体素子は国際共同研究先である英国グラスゴー大学で作製され、テラヘルツ電磁波の観測を含む光学測定は神戸大学で実施された。光変調スペクトル測定や超短パルスを用いた第二次高調波に関する測定結果から、単一の励起子準位を励起した場合の効果を明らかにできたが、その一方で、二つの励起子準位を励起した場合の効果については、未だ、不明である。この点については、今後の研究で解明していく。
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