研究実績の概要 |
アリゾナ州立大学CBBG(Center for Bio-mediated and Bio-Inspired Geotechnics)とケンブリッジ大学Schofield centreに滞在し,微生物固化技術に関する最新の研究開発活動に取り組んだ.アリゾナ州立大学では,改良型酵素触媒法としてスキムミルクを利用する技術についてともに検討を進め,強度増進に寄与する主たるたんぱく質を推定することができた.この技術に関連し,たんぱく質の変成作用に着目した新たな固化メカニズムについて共同で研究活動を始めることができた. その後,ケンブリッジ大学Schofiled Centreに移動し,微生物固化技術の応用先として注目されている出砂抑制やInternal erosion抑制に我々が着目している微生物がどの程度てきっ用可能であるかの評価を目的とした模型実験を実施した. 模型実験では,将来の適用先として考えられているメタンハイドレート胚胎層の応力条件を再現することとし,微生物として3種類(S.pasteurii, S.aquimarinaと本研究課題に関連して新たに単離・同定したBSL1の微生物)を用いた. S.pasuteuriiは結晶化析出速度が速く均質な固化にはあまり向いていないことや,S.aquimarinaは期待している分解とあわせて何かしらの複製生物が発生することなどを明らかにすることができた.本研究課題に関連して新たに単離した微生物については均質な固化やバイオフィルムと考えられる高分子材料により内部崩壊を抑制する効果が確認されたことから継続的にこの微生物を用いた検討を進めていくこととした.
|