乗車姿勢における脊柱アライメントとその男女間の差異を調査し,これらの差異が衝撃時の頚椎間の相対変位とその周辺の軟組織の変形に及ぼす影響を調査した. 基課題で構築した人体有限要素モデルに,縦型オープンMRI装置により取得した乗車姿勢における脊柱アライメントを導入し,追突時の乗員挙動再現シミュレーションを実施した.衝撃時の椎骨間の相対変位は,女性平均アライメントでは下位頚椎から上部胸椎で,男性平均アライメントでは下位胸椎から腰椎で,椎骨間の相対変位が大きくなった.頚椎に着目すると,女性平均アライメントのほうが,椎骨間の相対変位と,前縦靱帯と椎間関節包のひずみが大きくなることがわかった.
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