研究実績の概要 |
本年度はこれまで得られた超微小強度評価技術を応用し,皮膜構造体だけではなく,微小な単一粒子の接合界面の強度を評価する技術を確立した.これにより,固相接合現象をマルチスケールに議論するための実験技術を増やすことができた.また,これらの評価技術をコールドスプレー以外のプロセスへの応用展開した. 溶射分野では世界最大の国際会議であるITSC (International Thermal Spray Conference) は本年2019年は, 15年ぶりに日本で開催された.このITSC2019 にて本事業によるこれまでの成果を公表した.またこの国際会議のために来日した若手コールドスプレー溶射研究者を招いて,ワークショップ「1st Cold Spray Promising Researcher Workshop, Sendai」を開催した.参加者は長期滞在先のフランスCentre des Materiaux, Mines ParisTech (Ecole des Mines de Paris) からはもちろんのこと,滞在時に交流を深めたコーネル大学(アメリカ),チェコ科学アカデミー,チリ大学,ノッティンガム大学(イギリス)から参加いただいた. 参加者らとはそれぞれが得意とする分野での個別の共同研究を進めることとなった.また,本ワークショップ参加メンバーが中心となり,2020年 Surface Modification Technology 34(フランス)会議でのコールドスプレーシンポジウムを開催することとなり,本事業で構築された国際連携体制は,共同研究の推進はもちろんのこと,コールドスプレー,新しい固相接合技術の研究者をつなぐ重要なハブとして機能するようになった.
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