研究課題
本研究は、排出CO2の削減技術として期待されるCO2回収・貯留(CCS)技術と,油層微生物(群)の機能を最大限活用して残留原油を新たなエネルギー資源(メタンガス)として再生・回収する枯渇油田再生化技術を両立する資源創成型CCS技術の開発を将来目標とし,CO2地中貯留による生物的原油分解メタン生成反応の促進効果を検証するとともに,そのメカニズムの解明を目指す。すなわち,油層特性が異なる様々な国内外の油田を対象に,CO2の圧入によって油層微生物による原油分解メタン生成反応が促進される事を実験的に実証するとともに,その促進メカニズムから最大限の促進効果が発揮される為に必要な油層特性を明らかにすることで,実践的な資源創成型CCS技術のモデルを提案することを目的とする。本研究ではカナダ・カルガリーを研究拠点とし、国内に比べて圧倒的に多様な油層環境を研究対象に、1)油層特性データベースに基づいた原油分解メタン生成ポテンシャルが存在する油層の探索、また2)現場油層環境およびCCS環境を模擬した高圧培養実験を実施した。その結果、カナダ・アルバータ州に位置するオイルサンド試料から炭化水素を分解しメタンを生成する微生物コミュニティーの獲得に成功した。現在、当該微生物コミュニティーの高CO2濃度環境におけるメタン生成活性への影響を評価する培養実験を実施している。
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