研究課題/領域番号 |
16KK0166
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 九州大学 (2019) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2016-2017) |
研究代表者 |
沼田 倫征 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10401564)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2019
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キーワード | ノンコーディングRNA / リボスイッチ / PreQ1 / 真正細菌 / 遺伝子発現調節 / 低分子合成化合物 / 転写抑制 / 修飾ヌクレオシド |
研究成果の概要 |
リボスイッチはmRNAの5’側非翻訳領域にコードされた真正細菌に特有のRNAエレメントである.リボスイッチは対応するリガンドを特異的に認識し,その下流にある当該リガンドの代謝に関わる遺伝子の発現を調節する.本研究では,preQ1の生合成を制御するpreQ1リボスイッチに着目し,preQ1リボスイッチと特異的に結合する合成化合物をスクリーニングにより取得した.当該化合物がpreQ1リボスイッチによる遺伝子発現を抑制することを示し,結晶構造解析からリボスイッチとの相互作用機構を解明した.本研究により,RNAを標的とした新たな合成化合物の創製につながることが期待できる.
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自由記述の分野 |
生化学,分子生物学,構造生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PreQ1リボスイッチと結合して下流遺伝子の発現を抑制する低分子合成化合物を取得し,結晶構造解析により両者の相互作用機構を解明した.PreQ1はtRNAの修飾ヌクレオシドの一つであるキューオシンの前駆体である.キューオシンはリボソームが正確にタンパク質を合成するうえで不可欠な修飾ヌクレオシドである.したがって,この低分子化合物がリボスイッチの下流遺伝子の発現を抑制してタンパク質合成に重要なキューオシンの形成を阻害すると考えられる.本成果は,原核生物のRNAを標的とした新たな抗生剤の開発に貢献できると考えられる.
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