本研究によりヒトとマウスのベータ3アドレナリン受容体の機能的違いが、脂質翻訳後修飾であるパルミトイル化修飾によって引き起こされていることが明らかとなった。パルミトイル化修飾はヒトベータ3アドレナリン受容体の細胞質膜への発現を安定化させることで、細胞外からの応答性を増加している。この調節機構はマウスの受容体では見られず、疾患モデルを用いた研究では野生型マウスの使用は適していない。本研究ではヒトのベータ3アドレナリン受容体を発現するマウスの作製を行い、よりヒトの疾患に適した病態モデルマウスの作製を可能とすることを目指している。
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