研究課題
本研究は、以前我々が同定した破骨細胞前駆細胞(QOP:Quiescent Osteoclast Precursor)の生体内における形成機構を解明することを目的としている。そのために、骨髄内でQOPの形成を支持する骨髄微小環境(QOPニッチ細胞)の解析を進めた。骨髄には血液系細胞の分化調節を担う細胞が存在し、それを細胞の微小環境 (ニッチ)と呼ぶ。全ての造血系細胞の起源である造血幹細胞(HSC)の維持には、骨髄間葉系幹細胞(BM-MSC)がニッチとして機能する。我々は、BM-MSCがQOPニッチの役割も担うとの仮説を立てた。本研究では、マウス骨髄における間葉系細胞の1細胞RNA-seq遺伝子発現解析を行い、QOPニッチを突き止めることを目指した。BM-MSCをNestin-GFPマウスを用いてソーティングし、1細胞解析を行った。副甲状腺ホルモンの(PTH)は破骨細胞分化誘導因子RANKLの発現上昇を誘導することが知られている。今回の解析結果から、PTH投与後にRANKL発現が上昇するBM-MSC画分が存在することが明らかになった。したがって、BM-MSCによるQOPの調節機構の存在が示唆された。
すべて 2019 2017
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 3件、 招待講演 8件)
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